ハチワレ処

御転婆大使館ノスケのブログ

加藤育実、御転婆大使館の今後の活動について

この1週間ほどの都内をはじめとした日本の新型コロナウイルスの感染状況や世界での感染者数、死者数の増加などの状況を受けて、改めて自分達なりに専門家の記事やインタビュー、政府で公表されているデータなどを参考に、今後の活動について現時点で考えられる限りのことを考えました。

 

その結果、少し前とはだいぶフェーズが変わってきたように感じ、認識を改める部分が大きかったため、御転婆大使館に所属している加藤育実の予定しているイベントの出勤や出演を大変残念ながらキャンセルさせて頂く事と致しました。

出演自粛期間は現時点では4/12(日)までを想定していますが、日々刻々と状況が変化するため、今後変更になる可能性もございますので、随時発表を致します。


楽しみにして頂いていたファンの皆さんに残念な思いをさせてしまうこと、イベントの主催者の方々に大変な負担やご迷惑をおかけしてしまうことをお詫び致します。


正直なところ、つい1週間ほど前までは、本当にそこまでの危機が迫っているのか、インフルエンザで毎年数千人以上の死亡者が出ていることに比べたら大したことはないのではないかという思いもありました。

なので、補償があるかどうかもわからないまま、決して不要不急などではない私たちの活動を自粛して生活が逼迫することは、割に合わないことのように感じており、その時点では、警戒しつつ、またイベントの数をしぼりつつ、できる限りの対策をしながら活動をしていくという方針を取る予定でした。


ただ、25日あたりから東京での感染者数が増えはじめたことや、今まで感染者が出たと聞いてもはっきりイメージが湧かなかったところに、志村けんさんという誰もが知るタレントさんが感染し、お亡くなりになられたことで、新型コロナウイルス感染症というものをとてもシリアスに、身近なものとして感じさせられました。本当はそれでは遅いのだとは思いますが。


新型コロナウイルスと、その感染症について、正しい情報を最大限得て、きちんと理解をした上で、守れる安全は可能な限り守ることを考えながら今後の方針を決めるということが、三密を満たしやすい場所で活動をしている立場の人間としては重要な務めであると感じたため、調べられる限りのことを調べ、その結果、苦渋ではありましたが、加藤育実に関しては出演などをキャンセルさせて頂くという結論に達しました。

 

イベントのキャンセルをさせて頂くに至ったポイントとして主なものは下記の通りです。

(資料や専門家インタビューなどを見た上での現時点での私の認識なので、誤りがあったり、今後また変わる可能性のある事項もあるかもしれません)

 

◼️感染経路(感染様式)が飛沫感染接触感染

・大声を出したり歌うような場所、多くの人が同じものを触る空間(マイクや楽屋備品、ドアノブなど)で感染しやすい


◼️感染しやすい状況が密集空間・密閉空間・密着場面

・ライブハウスでつくられやすい状況


◼️インフルエンザのように感染が広まりやすく、ウイルス自体はSARSと似た毒性を示す

・症状があまり出ない事もあるが(原因ははっきりしていない)、だからこそ気付かないうちにウイルスを伝播させる可能性がある

・通常のウイルスは上気道(鼻腔・咽頭喉頭)を中心に増殖するので軽いことが多いが、新型コロナウイルスSARSのように下気道(気管・気管支・肺)で増殖をするため毒性がやや強い


◼️高齢者で特に重症化しやすく、重症化率がインフルエンザよりも高い

・インフルエンザと同等数に感染が広がってしまった場合、重症者はインフルエンザの場合より増えるため、医療機器や人材が不足し、容易に医療崩壊する(オーバーシュート)

医療崩壊すると、本来治療を施せば助かるはずの人を死なせてしまう可能性がある

加藤育実は実家暮らしで、ご家族は高齢者と関わるお仕事に従事されているため、高齢者に感染を広げてクラスターをつくってしまう可能性がある


◼️心血管疾患や呼吸器疾患などの基礎疾患があると重症化しやすい

・高齢者だけではなく、元々心臓、血管や肺の疾患がある方も重症化しやすいので、高血圧症の方や、タバコによる慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持っているようなファンの方などが感染した場合重症になる可能性がある

 

上記のような理由を総合的に考え、加藤育実の予定していたイベント出演をキャンセルさせて頂くに至りました。


本来わざわざ言うべきことではないのかもしれませんが、今年、心機一転してスタートした加藤育実の所属する「御転婆大使館」では、今後の活動を展開すべく様々なことを予定していましたが、それらが次々となくなり、チームの運営自体かなり厳しい状況になるとは思います。それでも、"今ここにある環境、今自分たちが持っているものでつくれる面白いものを目指す"というチームとしての姿勢だけは変わりませんので、今後の活動をお楽しみにお待ち下さい。


尚、これは私たちが主催をする予定がないという事情の上チームで話し合った結論ですので、全てのライブハウスを使うパフォーマーにとっての正解ではないと思っています。というより、正解が本当に分からないと思っています。

現実問題として、ライブハウスを借りているアイドルやバンドマンは、この事態であってもキャンセルをすると会場側にキャンセル料を支払わなければならないことも多く、わずかでも会場費を払うために開催を決行せざるを得ない状況になっているとも聞いています。ライブハウス側も、経営的な問題でキャンセル料を請求せざるを得ない部分があります。

 

またライブハウスなどに限らず、多くの消費活動が停滞すれば、経営が立ち行かなくなる実店舗さんは多いと思いますし、考えたくはありませんが失業率の増加と自殺者は相関するという事実もあり、政府が死亡率(人口当たりの死者数)を下げるための措置として促している自粛要請も、感染症による死者数と引き換えに失業による自殺者を増やしてしまっては、なんの意味もないと思っています。


専門家の予想では、新型コロナウイルスがこれだけ世界に広まると、SARSのように完全に症例がゼロになって終息することは考えにくいということで、インフルエンザのようにある程度社会に受容されるような形で落ち着いていく可能性が高いようではあります。


なので、よく言われている新型コロナウイルスに対する"正しい怖がり方"をすることは大切で、きちんとウイルスの特性などを知った上で、今後、どんな形でならイベントが開催できるか、実店舗の営業ができるかを社会全体で考えながら新型コロナウイルスの受容の仕方、落とし所を探っていくことは必要なのかなという気がしています。


幸い、治療薬は既に効果のありそうな薬の候補を絞れていて、ワクチンも今世界中でつくられ始めていて、半年以上先にはなるようですが、4ヶ月以内には臨床試験も始まる予定だそうです。


かなり長くなってしまいましたが、加藤育実の所属するチーム御転婆大使館としての現時点での考え方を、自分たちの思考の整理も兼ねて記させて頂きました。

読んで頂きありがとうございます。

 

 

猫のいるエンタメ屋さん御転婆大使館

石川遊人(ノスケ)

曲の作り方③〜サビを仕上げる〜

前々回〜前回までの話

<前々回>

・曲は誰でも作れる時代になっています(売れる曲とは言ってない)

・自分のため、自分たちのためだけの曲が増えてもいいですよね

・曲作りを身近に感じてもらって自分で作れる人を増やしてみたい

・アイドルからの実際の依頼曲をもとに作り方を解説してみます

・まず歌詞の素材を集めます

・そこから歌詞になりそうな言葉をピックアップします

sabutodanna.hatenablog.com


<前回>

・サビっぽいワードの選び方

・とりあえず口ずさむ

・曲のイメージが湧く

・参考になる曲を探す

・参考曲を元に改めてサビの骨格を作る

sabutodanna.hatenablog.com




作曲パターンは人それぞれ・ケースバイケース


①最初はサビっぽいワードを適当に口ずさむ

②なんとなくイメージに近いジャンルを見つける

③参考になる曲を具体的に探す

④参考曲を元にサビの骨格をきちんと作る

⑤サビ作りあげる←イマココ です。


これが正当なやり方でも王道のやり方でもなく、ケースバイケースではあります。

そもそも、歌詞が先にあって作る詞先(しせん)タイプの人と詞はなしで、曲から先に作る曲先(きょくせん)タイプの人で分かれることもあります。
僕はどちらかというと詞先なんですが、詞とメロディーを一緒に作っていくのが一番作りやすいです。


例えば作曲コンペとかだと、参考曲が最初からあって、「こういう曲で作ってください」みたいな形がわりと多いので、①②③がないこともあります。
でも最近は自由に作ってくださいみたいなケースも増えているので、そういう場合は①からやることもありますし、人によってはいきなり③からやったり、そもそも参考曲などなしで作る人もいると思います。
それとコンペの場合は、歌詞もないことがほとんどなので、ラララとか、仮の歌詞を入れて作ったりします。


僕もいきなり歌詞にメロディーをつけていくこともわりとありますが、今回の場合、口ずさんだら戦隊モノっぽいなと思って、思い切ってそっちに寄せようというコンセプトにしたため、まず参考曲を探してからメロディーをきちんと作ることなりました。
これで僕がわざわざ調べるまでもないくらい戦隊モノの曲が大好きだったり、過去にそういう曲を作っていれば、参考曲を探す工程は必要なかったりします。


ちなみにAKB系をはじめとするアイドル曲やジャニーズ系、シンガー系などのJ-POPの曲の参考曲は、基本的には洋楽がほとんどです。なので、洋楽を沢山聴いている人の方が引き出しは多いかもしれません。洋楽に限らず、やはり曲を普段から沢山聴いている人はアイディアの量は豊富な気はします。

 

サビの最後を作る


ということでサビを作っていきます。


まず楽器などは持たず、手でリズムを取りながら、サビの最後に来る「撃笑戦隊、イクミンジャー!」を色んな言い方で言ってみます。
何度も繰り返してるうちに、一番自分の中でしっくり来る言い方ができたら、録音アプリなどで録音します。この時、ドラムとか何かしらの楽器とかが聴こえているようだったら、それも手や口でなんとなくわかるように録音します。


例えば、「撃笑戦隊、イクミンジャー!」という録音と、そこの歌の部分に入りそうな「ダダッ!ダダッ!ダ・ダーダダ!」というドラム的なベース的な音を口で言って録ります。歌だけ録ると、後で聞いた時にキーがわからなかったりリズムがわからなかったりするので。

 

でも、恐らくこの段階でうまいことメロディーにならない人、頭の中に何も流れない人も沢山いると思います。
そういう人は、まず一段階手前のところから始めるといいので、その方法は次回ご紹介します。

 

サビの最初を作る


サビの最後の"撃笑戦隊イクミンジャー"のメロディーができたら、またサビが繰り返される想定で、勢いをつけたままサビに入るイメージでサビの最初の歌詞を考えます。


前の「イクミンジャー」の流れでいくと、レッツ・ゴーはちょっと音数が足りない感じがしてしっくり来ない。
Let's goよりもHere we goの3語の方が1、2、3!という感じでハマる感じがします。

ただHere we goだと、最初の音が [h] という音で、これは無声音と呼ばれる音で文字通り音が無くてあまり力が入らない感じはするので、1回くらい変則的に入れる分にはいいんですが、毎サビの頭で持ってくるのはちょっと避けておいてもいいかなという気がします。

Let's goに戻って、例えばLet us go(レットアスゴー)とかにすれば3音にはなりますが、言いにくいし聴き慣れないし語感も悪いのでイマイチです。
なのでここは、共通のGoだけは残すようにして、”Let's go”を”O.K. Go!”に変更してみました。


これにメロディーをつけます。
ここは、1、2、3に合わせて、上昇していくようなメロディーがいい気がしたので、そういうイメージで考えます。
ここで「O.K.Go!」のメロディーがなんとなく決まったら、それを繰り返して歌います。


そうするとまた、次に行きたい方向がなんとなく見えて来ます。見えて来ない場合は、できる限りのイメージをします。
イメージできなければ、参考曲を聴きます。
参考曲を聴いても湧かなければ、また戦隊モノの曲全体に戻ります。


というように、行き詰まったらどんどん来た道を引き返して拾い忘れているアイテムを回収するつもりで、とにかくあらゆる材料を集め直します。



と、さもそれっぽいことを書いていますが、僕も音楽を長年やってきていながらこれが意識してできるようになったのはつい2年ほど前です。


それまでは曲を作る必要に迫られていなかったのもあるんですが、丁度2年前に僕が加藤さんのマネジメントをしていた時に、水戸市のラーメンまつりへの出演オファーを受けて、そのお祭りに出演するときにお祭りのテーマソングを作って披露した方が、ただ自分の持ち曲を歌いに行くだけよりイベントとの一体感が出て喜んでもらえるんじゃないか、という思いつきで、突然使命感に燃えて曲を作ったのがはじまりです。


そこから、基本的にお祭り系のものへのオファーを頂いた時には、どれだけ時間がなくても”加藤育実なりのテーマ曲”というものを作って出演させて頂きました。
勿論、加藤さんのパフォーマンスがあったから以外の何者でもありませんが、その時のイベントの盛り上がりにラーメンソングも多分少しは役に立って、今加藤さんは水戸のラーメン大使にして頂いています。




話が逸れてしまいましたが、僕はこの時、加藤さんが「O.K.Go!」とステージで歌っているイメージをしていて、Go!と言った後に観客が「Go!」とか「Yes!」とかメロディーではなく合いの手のようなものが入っているようなシーンが見えた気がしたので、「O.K.Go」の後はメロディーを入れず、1拍、休符にすることにしました。


で休符にするとまた次の音がボヤッと見えます。


参考曲のマジレンジャーが、マジ!マジ!マージレンジャー!というメロディーで、繰り返しながら上昇していく感じなので、同じような流れ方にするために、Goを連続で使おうかなと当たりをつけます。


最初1、2、3のリズムに合わせてO.K. Goと四分音符のリズムなので、次は少し細かくした方がバランスが良さそうなのと、勢いがつきそうです。

なので、イクミンジャーの方で却下になったカトウジャーのカトウを使い、KATO Goを2拍に詰め混みます。そうすると一応サビに名前が全部入って、サビの面構えとしていい感じな気がします。


と、こんな感じで、前半は「O.K.Go!KATO Go!KATO Go!」としました。


サビを仕上げる


細かくなってしまうのである程度、端折りますが、ちょっと変わった音楽が好きとかでなければ、普段耳にしている曲の小節数というのは、基本は4小節とか8小節とかのメロディーをベースに、必要に応じてそれが繰り返されたり少し足されたりするというのがオーソドックスです。

なので、4小節のメロディーがある程度のブロック(固まり)としてできると、その後もブロック単位でイメージがついてくることが多いです。



小節とは

guitarchord-lab.com



この次の歌詞は、今暫定的に「君らと共に歩む路(みち)」になっているんですが、頭の中にあるメロディーだと、少し言葉数が足りなくなる感じがしたので、歌詞候補の中からハマりそうな言葉を探します。


探すのは、Go!と相性の良さそうな言葉で、浮かんでいるメロディーの音数に近い言葉。


この時は、考えたメロディーが8音だったので、そのくらいの文字数の言葉を探すと「周りを巻き込む強い力」というだいぶ文字オーバーしているけれどGoとの相性はよさそうな言葉があるので、この言葉を形成できないか考えます。

前半の「周りを」は最悪言わなくても分かりそうなので消して「巻き込む強い力」にすると10文字。

「強い力」を「パワー」にして6文字を3文字に変えると、全部で7文字。そこに「で」をつけて「巻き込むパワーで」にして8文字にしました。


こんな風にメロディーも歌詞も、ある程度の骨格を作ったら、参考曲を聴いて要素を引っ張り出したり、歌詞の意味をなるべく変えずに文字数を増やしたり減らしたり、骨格に沿って色んなアプローチをして肉付けをしてサビを完成させていきます。


コードを付ける

コードというのは和音で、いわゆる伴奏のようなものです。

例えば、起立!礼!のあの音がありますよね。



10 音楽の「起承転結」 「起立,礼」の和音


この時、頭を上げている時のコードは同じなんですが、礼の時のコードは違います。
これがコードの展開で、ここが全部同じ音だと動いている感じ、ストーリー感みたいなものが出にくいんですね。
曲というのは、このコードが動くことによって色んな展開を生みます。


サビのメロディーが完成したら、このコードというものを付けていきます。
ピアノやギターなど、和音が出せる楽器で付ける場合がほとんどです。


コードというのは、メロディーに対して1つじゃなく、何パターンか付けることができます。
この”何パターンか”というのが厄介で、まず超基本的なところは大体みんなおさえているんですが、それだともうやり尽くされている典型的なパターンすぎて、何も新しさがない退屈な曲になりやすいんですね。
だから、ちょっと捻ったコードを付けたりするわけなんですが、ここがわりと難しくて。
でもメジャーアーティストとかだと、ほぼ例外なくこの捻ったコード進行みたいなものは入れている気がします。


僕は作ったメロディーに対して付けたコードがなんか違うな、なんか物足りないな、もっと違う音が鳴ってる気がするんだよな、と思うことは多々あっても、もともとピアノをやっていたわけでもないので、その何か違うコードを探すのにとても苦戦したりします。
なので今もメロディーに対していい感じのコードを鳴らせるように曲を作りながら実践でトレーニングして少しずつ引き出しを増やしているような状態です。
このイクミンジャーも、やっているうちに「これは一体なんのコードなんだ?」「どういう理論だ?」となり、音楽理論の本やらネットやらを片手に作っていました。


コードの付け方
yugo-music.jp



作曲のスタイル


この辺から作曲のスタイルが分かれてきます。


メロディーだけを作る作曲ならば、ここから後のコードを付けたり、他の色んな楽器を入れていくアレンジの作業は、アレンジャーさんに任せるというスタイルなので、AメロやBメロのメロディーをサビと同様に作ったら一旦それで終了です。アレンジ後にメロディーの微調整はすることはありますが。


メロディーとコードだけは自分で付けて、アレンジは任せるというスタイルの人は、この後AメロやBメロのメロディーを作って、コードを付けて終了です。


メロディーもコードもアレンジも全部自分で完成させるスタイルの人は、まだ道のりは少し長いです。


本当は、アレンジの後に、ミックス(トラックダウン)とマスタリングという音を混ぜたり音の厚みを増す作業が入るのですが、それも自分でやるか、エンジニアさんに任せるかで分かれます。


作曲家に上下はないと思いますが、メロディーだけを作るよりは、アレンジやミックスまでをする方が作業量だけで見たら圧倒的に多いです。だから海外の人がコライトするのはわかる気がします。


ちなみに僕の友人がメロディーだけで欅坂46の作曲に参加したと書きましたが、彼はまずそもそも歌が非常に上手いのと、作詞家として事務所に所属していたので、もともと周りにいいアレンジャーがいたりする関係や環境があってそういう参加の仕方ができていますが、普通「いいメロディー作れます」と言ってメロディーを口ずさむだけでは作家事務所には多分入れないので、なんだプロ楽勝じゃん、ということでは決してないのでそこはお気をつけください。


最後に

こうやってできた曲がこれです

撃笑戦隊イクミンジャー



うまくまとまりきらなかった所も沢山ありますが、メロディーの作り方やコードの付け方についてはまた別の記事などで少しずつご紹介できればと思います。

果たしてこの記事を全て読んで頂いた方がいるのか分かりませんが、曲を作るということが少しでも伝われば、また自分でも曲作りやってみたいなと思ってもらえれば光栄です。

あと、もしもこれを読んで曲作りについて本当にトライしてみたいという方がいたら、今月の末から新たにマンツーマンのミュージックスクールで講師もするので、そこに問い合わせをして頂ければと思います。メインは、ボーカルレッスンなんですが、初心者の方だったら曲作りもある程度までお教えできるかと思います。
まだ受け付け始まっていないので、始まったらお知らせします。


最後まで読んで頂きありがとうございました!

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曲の作り方②〜サビを考える〜

前回までの話


・曲は誰でも作れる時代になっています(売れる曲とは言ってない)

・自分のため、自分たちのためだけの濃い曲が増えても面白そう

・曲作りを身近に感じてもらって自分で作れる人を増やしたい

・アイドルからの実際の依頼曲をもとに作り方を解説してみます

・まず歌詞の素材を集めます


・そこから歌詞になりそうな言葉をピックアップします


サビの言葉を決める

では続きです。

歌詞になりそう言葉をピックアップしたら、この段階で、今度はサビになりそうなワードを暫定的に選びます。
別にサビから必ずやる必要はないんですが、僕の場合、基本的に土台から作りたい人なので、曲の柱になるサビから作ります。


僕が自分でサビを作る時まず基準にするのは

 

  1. 主張、疑問などメッセージ性のあるもの
  2. 語感のいいもの(言いたくなるもの)
  3. 他の曲を連想しないもの

 


などです。

基本がこれというだけで、実際はどんなフレーズでもサビにしてしまうことはできるんですが、多分上の3つで考えていくと、より"サビっぽさ"は出やすい気はします。

 

それぞれの解説です。


1.主張、疑問などメッセージ性のあるもの

曲の核、軸になりそうな言葉で、一番伝えたいことや、歌いたいこと、投げかけたいことなどです。


<例>

愛にできることはまだあるかい
(RADWIMPS/愛にできることはまだあるかい)


ナンバーワンにならなくてもいい 元々特別なOnly one
(SMAP/世界に一つだけの花)


明日はきっといい日になる
(高橋優/明日はきっといい日になる)


さあ がんばろうぜ!
(エレファントカシマシ/俺たちの明日)


サヨナラは悲しい言葉じゃない それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL
(いきものがかり/YELL)


1人じゃないから 私が君を守るから
(AI/Story)

 

 

2.語感のいいもの(言いたくなるもの)

キャッチコピー感みたいなものです。
自分が言いやすいかどうか、言いたくなるかどうか。結構センスとか好みとかその人のカラーなんかがここで出るかもしれませんね。
でも作詞家とかコピーライターとかマーケターみたいな人は、どういう音がどういう心理効果を生むみたいな心理学系のところも取り入れて作っているとは思います。
僕もどうしても出ない時はなんとなくその辺も参考にしながら言葉を探したりはしますが、基本的には自分が言って楽しい、面白いワードにしています。
あとキャッチコピー感が強い言葉は、そのまま曲のタイトルになってることも多々あります。

 

<例>

C'mon baby アメリ
(DA PUMP/U.S.A.)


「完全感覚Dreamer」がボクの名さ
(ONE OK ROCK/完全感覚Dreamer)


残酷な天使のテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ
(高橋洋子/残酷な天使のテーゼ)


チョコレイト・ディスコ
(perfume/チョコレイト・ディスコ)


パプリカ 花が咲いたら晴れた空に種を蒔こう
(Foorin/パプリカ)


握ったメッセージ that's rising hope
(LiSA/Rising Hope)

 


3.他の曲を連想しないもの

いわゆるオリジナリティです。
もう今やメロディも歌詞も探せばどこかに絶対似たようなものが見つかるんじゃないかというくらい音楽に関しては、というかどの分野でもネタ切れみたいな状況ってなってきている感じもありますよね。
それでもやっぱりあまりにも馴染みのありすぎる歌詞と同じ言葉を使うと絶対に印象負けしてしまって、どれだけ他のところに拘って頑張っても、たった一箇所のせいでパチモンという印象しか持たれない悲しい運命を辿ることになります。なので、特に顔になるサビの言葉は、パッと聴いて他の有名曲が出てこないようには気をつけます。

例えば上に挙げたようなキャッチコピー系の

「C'mon baby 」とか「残酷な天使」とか「Rising hope」とかをサビにポン、とはもう持って来られない感じはあります。


ただこれもあくまで基本的にはなので、あえてそういう言葉を使って、元のイメージと真逆の曲調にするとかオマージュするとかも全然ありだとは思います。でも、あえて使ってる感じの"あえて"感を出さなきゃいけない難しさがあります。

 

上記の3つの視点を持って、サビは


・Let's go!君らと一緒に歩む路(みち)

・Here we go!僕らは共に進むのさ


この辺りを中心に使わせてもらうことにしました。
ちなみにこの言葉は、今っぽいクールな曲調とかだと、ストレートすぎてちょっと合わないかなという感じもするんですが、カッコつけすぎず、ひょうきんな所も売りの加藤さんにはハマる気がしたので、迷いなく選びました。

 

サビをなんとなく口ずさむ

ある程度サビの背骨になりそうな言葉を決めたら、とりあえずそれを口ずさみます。慣れると頭の中だけでできると思います。

※この辺から具体的な思考の内容が入ります


まずサビのLet's go!とかHere we go!
が頭にくるイメージで、なんとなくこの言葉を言ってみます。


  レッツ! ゴー!とか

 

  レツゴウ!!とか

 

  レーーツゴゥ!!とか。

 

言い方の違いを文字だけでなんとか伝えようと試みていますが伝わっていますでしょうか。
でなんとなく手で速めのリズムを取りながら繰り返します。

 

  トントントントン レッツ!ゴー!

 

  トントントントン レツゴウ!!

 

  トントントントン レーーツゴゥ!!

 

そうすると、1回だけでは物足りない感じがしてきます。なんだか、2回以上言いたい気分です。
なので、とりあえず言いたいように言ってみます。

 

  トントントントン レッツ!ゴー!(ウン)レッツ!ゴー!

 

  トントントントン レツゴウレツゴウ!レッツゴー!

 

  トントントントン レーーツゴゥ!!(ウン)レーーツゴゥ!!

 


もう付いてこられてないですよね。
この辺で文字での音表現は控えます。

 

さて、繰り返しているうちに「あーなんだかスーパー戦隊っぽい雰囲気だなぁ」と感じてきました。
戦隊系の曲はまだやっていないし、加藤さんがスーパー戦隊になるのは面白そうだ。
よしではちょっと戦隊モノの資料を集めよう!!



と、まだサビも決まらない状態で、とりあえず参考になりそうな曲が思い浮かんだのでまず片っ端から聴いていきます。

 

参考曲を探す

スーパー戦隊モノっぽいなと思っていながら、戦隊モノの曲を詳しく知っているわけでもなく、僕が口ずさめたのはどこかで聴いた「電子戦隊デンジマン」(1980)と「忍者戦隊カクレンジャー」(1994)のサビだけだったので、まず”ぽい”と思っているスーパー戦隊の過去のテーマ曲をネットで漁って全部さらっと聴いていきます。
仮面ライダー系も調べたんですが、こちらは普通にポップスアーティストの曲が主題歌になっている感じで、ちょっと”ぽさ”に欠けたので、ゴレンジャーなどのスーパー戦隊縛りでいくことにしました。
そして片っ端から聴いていきながら、よさそうなイメージの曲はメモします。

 

僕のこの時のメモだと


ジェットマン
デカレンジャー
マジレンジャー


が書いてありました。

 

そこから更に絞った曲を歌詞を見ながら聴いて、曲の長さや構成、歌詞の感じ、使っている楽器などをざっくり確認して、こんな曲を加藤さんが歌っているという想像を膨らませます。
で行けそうだなと思ったので、この段階で一度加藤さんに「スーパー戦隊みたいな曲どうでしょ?」と確認を取ります。
ここで戦隊モノはちょっと違うかもしれませんとなれば、一旦白紙にして、再度、レッツゴーのメロディーを口ずさむところから始めます。
今回は、いいですね!と即答だったので(加藤さんは提案にNG出したことないですが)、更に、加藤さんが見ていたものとか知ってる曲はありますか?と戦隊モノの曲メドレーを送って確認したところ、「マジレンジャーは知ってたし曲が好きです!」とのことで、丁度僕がメモしていたのもマジレンジャーだったので、ここでマジレンジャーが参考曲としてほぼ確定します。


この辺の材料集めみたいなことをやるとやらないとでは全然違います。
そもそも、なんにもない真っさらなところから音楽を生み出すってほぼ不可能で、みんなどこかで何かしらを聴いて、それが自分の中に蓄えられて、別の何かと掛け合わせたりして新しい音楽ができていると思うので、材料は多いに越したことはないと思います。

”加藤さんはマジレンジャーが好き”

これは曲を作る上で相当太い軸になるので、これを軸に、色々と絡ませてくいく感じになります。


※加藤さんの場合、ヒム子ーズとかヒム子組.comをやっていて、そのユニットがそもそも結構パクリ芸というか、元々ある曲やアイドルのパロディ要素を入れる面白さがあるので、それを地続きな感じにできればいいなと思ってパロディー要素を多めに取り入れているので、この材料集めを特に多めにやることは多いです。



参考曲を元にサビの骨組みを作る

参考曲が見つかったので、改めてサビに戻って、背骨となる部分を作ります。


スーパー戦隊のオープニング曲も70〜80年代と90年代、2000年代とかでかなり変わってくるんですが、お家芸的な戦隊モノのパターンとしては、その戦隊の名前がサビの頭か最後に入ります。
最後に〇〇戦隊、〇〇ジャー!が一番多いパターンだと思います。ここに戦隊っぽさがあるので、これはパロディー要素として取り入れようと決めて、まずそこを作ってしまいます。


ジャーはもうシンプルに”カトウジャー”か”イクミンジャー”で、カトウジャーはちょっと語呂が悪い感じがしたので、イクミンジャーに。
そこはすんなり決まったので、その前につける戦隊名を考えます。



爆笑戦隊
スマイル戦隊
笑撃戦隊
妙チキ戦隊



など考え付く限り書き出します。


戦隊がつけばわりとどれも悪くない感じにはなるんですが、イクミンジャーの発音が、"イ"や"ミ"や"ン"で口をあまり開かず少し弱めなので、最初の音は破裂音とか濁点がつく硬そうな存在感のある音にして、途中イクミンで柔らかくなって最後にジャーでまた少し締める、みたいな雰囲気にすることにしました。


そうすると、スマイル戦隊とか妙チキ戦隊は一旦除外になります。


笑撃戦隊もよかったんですが、最初がショでやはり少し弱いのと、ネット検索すると笑撃戦隊という芸人さんがいたので、一応ここも避けます。


爆笑は、なんとなく戦隊モノの潔いカッコよさみたいなものが薄れる気がしたのと、お笑いのイメージが強すぎる、あとは歌詞がそこまで爆笑に寄せられているものではないので、これも除外しました。


でも加藤さんのキャラクター的に笑の字が入るのは捨てきれなかったので、笑撃ではなく反対にして濁音を先にする"撃笑"にしました。

造語ではありますが、激走戦隊カーレンジャーというのもあって、音の響きも近くナチュラルさはありつつ、字で意味もなんとなく分かります。
更に、衝撃の文字を笑撃に変えただけでは飽き足らず反対にしてしまう衝撃感を出してしまった、と自分である程度強引に理由づけして納得させます。

 

ということで、

  • マジレンジャーが参考曲
  • "撃笑戦隊イクミンジャー"という戦隊テーマソングにする
  • サビの最後は「撃笑戦隊、イクミンジャー!」で締める
  • サビの頭はLet's go!Here we go!みたいなイメージ

 
という骨格ができたので、これを元に改めてサビのメロディーと歌詞を細かく考えていきます。


そろそろ飽きているかもしれませんが、次で最後です。ついて来てください。(謎の使命感)


と思ったんですがやはり長すぎたので次回に回します。

読んで頂きありがとうございました。

曲の作り方①〜曲は誰もが作れる〜

今回から、曲の作り方、曲作りの工程について3回くらいに分けて書いてみようと思います。

※全て書いてから、3回では音楽的なところまでは書き切れないことに気づいたので、この記事では、曲の大まかな作り方と、実際にサビを作るところまでを書いています。気付けば具体的な曲作りをしたことについてのただの記録のようのものになってしまった感じもあるんですが、曲ってどうやって作ってるんかいなと興味を持てそうな方には、時間のある時にでもお読み頂ければ嬉しいです。

はじめに

僕はコンペにガンガン出してメジャーアーティストに提供しているような職業作家ではありません。
(※コンペ:主にメジャーアーティストなどに提供する曲を決める競技会のようなもの。多くはアーティストを抱える事務所などが作家事務所を対象に行います。)

作家事務所との繋がりはありますが、仮歌など歌の仕事を頼まれる事がほとんどで、コンペは数えるくらいしか参加していません。

基本は、個人で活動するアイドルさんやシンガーさんからの直接の作曲依頼や、自分のプロデュースするユニット用につくりたい時につくっているだけのコンポーザーです。

なので、売れる曲作りってのはこうなんです!みたいなことは言えませんし、今現在、作家として所属していて、コンペに通るためのコツが知りたいとか、いい音源や機材が知りたい方には向いていない内容です。


そういう方はSleepfreaksさんの制作レシピとかがいいと思います。最近の白戸佑輔さんの回なんかはとても参考になると思います。
https://sleepfreaks-dtm.com/category/produce-recipe/


ちなみに僕が作っているのはこういう曲です。



SHIBASAKI full ver.【加藤育実】




猫氏と女子でラーメンまつりのテーマソングつくった



なんだよ知らねーよ全然売れてる曲じゃねーなと思わせてしまった方には、もう本当に時間を無駄にさせて大変申し訳ございませんとしか言えません。ここで閉じて頂ければと思います。


曲は誰もが作れる

ちょっと批判を浴びそうな胡散臭いタイトルにしてしまいましたが、実際、口でも手でも足でもどこでもいいので、どこかを使って"意図して音を発する"ことができる人なら、曲は誰もが作れます。

音が出れば、あとはその音を認識して、曲と言われるある程度決まった型に流し込んでいく作業をするだけです。


僕は少し前から『楽器が弾けない人でもそれなりの曲ができる作曲レッスン』というのを音楽初心者(子供からご年配の方まで)を対象に行っています。


オリジナル曲というものの敷居が下がって、オリジナル曲をつくれる人が増えたら、自分で自分のモチベーションをあげる曲を作ったり、所属する会社やスポーツチームの曲を作ったり、家族や友人のお祝いソングを作ったり、子供の子守歌を作ったりということになって、なんだか面白そうだなと思っています。


勿論、結婚式に新婦さんの好きなアーティストの曲をカラオケで歌うのもいいんですけど、新郎新婦のお互いの呼び名や、新婦が小さい頃遊んでくれたおじさんの名前が入っていたり、あの時はこうだった、ああだったみたいな、本来エピソードトークになるような部分をオリジナルソングの中に詰め込んだりしたら、それもそれでなんだかメモリアルな感じにはなるじゃないですか。


そういう、メジャーな、マス的な音楽とは対極にある、小さいけど、私のため、私たちのために作った曲、みたいな濃い音楽がもっと沢山あってもいいのかなと思っていて、だから曲を作るというカルチャーをもっと広めようとしています。


作曲って、クラシックみたいな格式の高そうなものから、楽器の入らないメロディだけの鼻歌まで幅広くあって、確かにクラシック系とかオーケストラ系は簡単にはできないものもあるかもしれませんが、決して音楽を専門でやっている人だけの専売特許ではなくて、特に最近は音楽機器の発達やサービスの充実で、作ろうと思えば誰でも音楽が作れるようになっています。


たとえばiPhoneMacに標準で入っているGarageBandというアプリは、好きなジャンルを選んで、好きな展開を選択すれば、ある程度音楽的に破綻しないように自動で繋いでくれて、曲になります。




iPhoneGarageBand[LIVE LOOPS]
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色々なジャンルの音が最初から用意されています





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下の三角マークを押すだけで様々なパターンの演奏が再生されます





iPhoneGarageBand[DRUMMER]
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ドラムを自動で演奏します





僕が作った曲にUSHIKUNというあるアイドルオタクのことを歌った曲がありますが、それは全部Logic(GarageBandの上位版)というソフトに元々入っているドラムとギターの音を使いました。なのでドラムを叩きもしないし、ギターを弾きもせず曲ができています。


www.dropbox.com



サービスとしては、あなたの鼻歌から曲を作りますよ、とか、歌詞に曲をつけますよっていうサービスを提供している人がココナラとかクラウドワークスとかに沢山います。


ココナラ
coconala.com


クラウドワークス
crowdworks.jp




正直、この辺りで頼んでしまえば鼻歌もかなり立派な曲に仕上がります。作っている人も音楽に精通していて、多少おかしなところは修正しながら無理のない音楽に仕上げてくれるので。
だから鼻歌さえできればきちんとした形の音楽になるので、楽器が弾けなくても作曲はできるんです。
後述しますが、そういうプロの作曲家も実際にいます。


僕も上のUSHIKUNやSHIBASAKIに関しては自分でアレンジ(編曲)していますが、それでもいまいちアレンジがうまく湧かない気がする時や、時間的に間に合わないような時はアレンジャー(編曲家)さんに任せることはあります。
頼めばそれはそれはいい音とアレンジで返ってきます。
ちょっとお金はかかるので予算次第ではありますけど、メジャーのアレンジャーに頼むと1曲30万円はするところが、3〜8万円ほどなので、破格ではあります。
基本は全部メールでやり取りするので、細かい好みやニュアンスを伝えるのが難しかったりはしますが、音質的には十分です。


この『アレンジャーに投げる』というのは、メジャーの現場でも普通にあることで、作曲家といっても、アレンジまで全部ひとりでやれる人から、トップライナーといって、歌のメロディーしか考えないという人まで色んなタイプの作曲家がいます。
海外ではコライトといって何人かの作曲家が一緒に1曲を作り上げるのが結構主流だったりします。
実際、僕の音楽学校時代の友人が最近、欅坂46の作曲をしたんですが、彼は楽器やアレンジはできないらしく、メロディーを考えただけで、他の音は別の作家がつけたと言っていました。


そんなわけで、今や作曲というのは、デジタルイラストや映像編集などと同様に、一部の限られた人だけができるものではなくなっています。
もちろんどの分野でも、クオリティー的にはプロには劣るかもしれませんし、プロはプロでどんどん新しいものを生み出しているので、プロになれるかどうかという点に関しては、また別のアプローチが必要にはなるとは思いますが。


でも何より、僕自身が音楽を作るようになって、形として自分の思いとか感覚みたいなものを残していけるのは、なんか変な言い方ですが、安心というか、自分の足跡を残せている感覚みたいなものがあって。
まだ自分の中で、ある程度ここまでは、みたいなところを達成できていないので今死ぬのは嫌なんですが、でも曲を書き終える度に少しホッとするのは、締切から解放される安心感だけではないんですよね。


それから昔、両親が変な替え歌に乗せて僕のことを歌っていたのをいまだに覚えていて。本当に大したことのない短い歌ではあったんですが、それでももう30年以上経っても覚えていて、思い出してちょっと優しい気持ちになれたりするのは、ただの言葉ではなく両親が適当に作った曲があったからだと思っています。
学生時代に、必須アミノ酸を自分で作ったメロディーに乗せて覚えたんですが、それもまだ覚えていて、たまにクイズ番組の問題で出てきて答えられた時、妻に「すごーい」と言われ「フフっ」とできるのは、やはり曲にしたからだと思います。
皆さんも、暗記したもので今も覚えているものって、意外とリズムとか音程みたいなものがありませんか?
それもひとつの立派な作曲です。


だから世の中にもっと音に乗った言葉が増えて、それが自分の中だけでも、家族の中だけでも、小さなコミニュティーの中だけでも流行ったり受け継がれたりするようになると、ちょっとコミニュケーションが変わったり、結束力とか絆が変わったり、思い出が変わったり、芸能や芸術の見方がいい方向に変わったりするんじゃないかと思っています。
曲作りをする人が増えることで、歌うアーティストだけでなく作詞家や作曲家、編曲家、ギタリストやドラマーなどのプレーヤーやエンジニアさんにまで注目する人が増えて、音楽がもっと広く色んな視点で楽しまれたり賑わったりしてくるといいなという思いもあります。



前置きが相当長くなりましたがそんなわけで、楽器がそもそもできないけど曲をつくってみたいとか、歌詞はできるけど曲がつけられないとか、そもそも音楽ってどうやって作ってるのか興味あるなという人達がこの記事を読んで少しでも参考になればと思って書いてみます。

今回は実際に僕がオーダーを受けて作った曲のことをベースに説明してみたいと思います。
いきなり曲作りのことを知りたい人は 歌詞の素材を集めるからどうぞ。


アイドル加藤育実さん

僕が今音楽制作を担当している中のひとりに、加藤育実(かとういくみ)さんというアイドルさんがいます。


テレビ東京ゴッドタンのマジ歌選手権という企画で、バナナマンの日村さんがヒム子というアイドルに扮して歌を披露するんですが、そのヒム子が組んだアイドルユニットに「ヒム子ーズ」「ヒム子組.com」というものがありまして、加藤さんはそこのメンバー・マリンちゃん役をしていたりします。


matome.naver.jp

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2015年頃に加藤育実さんのボイトレを始めたのがきっかけで色々と一緒にお仕事をするようになり、一時はマネジメントしたりもしていたんですが、今は主に音楽系のことに携わっています。
あとは僕がプロデュースする種を越えた音楽ユニット「猫に女子」にしじみちゃんというキャラで参加してもらっていたりもします。

twitter.com




そんな加藤育実さんから、今年の4月頃に曲を2曲出したいという相談を受けました。
1曲は初めて自分で作詞する曲、もう1曲はファンの人から歌詞を募集して作りたいというオーダー。

加藤さんが作詞した曲についてはまた別の機会があれば書くとして、今回はファンの方から募集した歌詞で作った曲のことを書きたいと思います。




歌詞の素材を集める


まずTwitterなどで告知をして、メールで歌詞っぽいもの、歌詞の素材になりそうな言葉を送ってもらいました。手書きしたものを写真で撮って送ってくれた方もいます。大体このくらいのボリュームです。



人によってはもうこのまま3曲分できるなっていうくらいの量で、形もかなり整えて作っている方もいらっしゃいました。
本当は送られた言葉を全部入れてヒャダインさんみたいに転調しまくりの奇想天外な展開とかにしてみたいなと思ったりもしてたんですが、30分くらいのメドレーソングみたいにしかできない気がしたので断念しました。

ひとりで歌詞を書く場合も同様に、まずはこうやって歌詞の断片みたいな言葉を思いつく限り沢山出していきます。



歌詞になりそうな言葉を絞る

素材の言葉が集まったら、ここから歌詞になりそうな言葉を選んでいきます。
※既に歌詞の形ができている場合ここは飛ばします。



まず何にせよ、真っさらな気持ちで全部の言葉を読みます。


そして、もう一度、読みます。


更に、もう一度、読みます。


ここでざっくり、歌詞の全体が明るいか暗いか、ぐらいの雰囲気を掴みます。それと、できれば曲のテンポもなんとなくイメージします。


ちなみに今回の場合、"明るい笑顔、楽しい、ハッピー、だけどいつかは来る別れ"みたいな内容もわりと多くて、興味深かったです。
確かにアイドル個人として見ると、バンドやシンガーという肩書きの人よりも活動期間が限られているイメージはあるので、そういう内容になりやすいのかもしれませんね。


ただ基本的にはやっぱり明るい感じが多かったのと、加藤さんのオーダーと好み的に、暗いだけの曲というのはNGなので、「明るい、面白い、パワフルな曲調で疾走感のあるテンポにする。もし"いつかは来る別れ"みたいな侘び寂びを入れるとしても、部分的に使うくらい。」みたいなイメージをここである程度持ちながら、読んで頭に残っている言葉を書き出します。
なければ、もう一度、頭に残す気で全部読みます。



募集した中だと僕はこの辺りが頭に残りました。


・いつでも笑顔になれる

・ファンとの絆を大事にします

・数字に弱い 九九が苦手 七の段はコンチクショー

・迷子の携帯みんなで捜索

・胃袋から掴んでいくアイドル

・Let's go!君らと一緒に歩む路(みち)

・Here we go!僕らは共に進むのさ

・ライブが始まれば周りを巻き込む強い力

・令和でも可愛すぎてつれーわ

・隅っこで見てるだけじゃつまらない

・前に来て声出そう。楽しいから。

・バス乗り場わからず半泣き状態

・あのナミダが忘れられない

・彷徨Growing up

・いつでも全力投球、全力疾走、全力少女

・百均大好き

・無邪気な君が僕を呼ぶから

・楽しまなきゃ損グ



実際はもっとあるんですが、ここは参考までにということで。



今回は一旦ここまでで、次回は、サビを作るところから始めます。
読んで頂きありがとうございました。

仔猫がやって来た!

仔猫がやって来たんです!

と言っても、やって来てからもう2ヶ月くらいは経つのですが。

最初がこんな感じですね。



今はこんな感じ。



はい、比較画像選びのセンスがなさ過ぎなんですが。
でも数字的に言いますと、最初が700gくらいで今が1,300gなので倍くらいにはなっています。
でもサブくんの小さい時に比べると少しシュッとしている感じはします。


サブくん
sabutodanna.hatenablog.com




ちなみに名前が、二転三転どころじゃない、七転八転してまして

ニコちゃん

ブリちゃん

茶々子

トコちゃん

スゥちゃん

すぅとこ

チヨ子


1回目の病院でまだ名前決まっていないんで次までにはという話をしていたんですが、2回目の動物病院の扉を開ける直前まで考えて、最終的にチヨ子でカルテは作ってもらっています。

猫の名前付けるのって簡単だと思いきやわりと難しいんですよね。
サブくんの時は流れみたいなものがあって本当にすぐ決まったんで、この子もすぐ付くだろうと思っていたらなかなかどうしてで。


人間の子供なら、こういう人になりますようにという願いとかを込めて付けたりするじゃないですか。
でも猫に「こういう猫になって欲しい」みたいに思うのって、なんだかあまりしっくり来ないというか「いや猫にそんな願い込めたところで、猫は人の願いなんて軽く踏みつけながら好きなようにやるものだし、それが猫のいいとこだからな」と思ったりしてしまって。


なので、その子の個性というかキャラみたいなところで付けようとはしてたんですが、そうするともう「噛む・引っ掻く・荒らす」くらいしか行動がないので、あばれるちゃんとか、ならず者とか、旧ジャイ子とか、ねこ娘とか、もはや逆輸入みたいな名前まで出たりして完全に迷走してしまいまして。


そんな中でも、一応トコトコ走るのでトコちゃんというのが有力候補としては残ったので、トコをもうちょっと可愛いくしてチョコ、そこからサブに寄せて少し和風にしてチヨ子、となりました。

正式というか動物病院的にはチヨ子ですが、呼ぶ時にはチョコちゃん、トコちゃんと呼んでいます。


今更ですが、これもしかすると、とってもどうでもいい話だったかもしれませんね。



でもやはり猫に限らず、何かの名前を真剣に考えると、その対象をよく観察するし、知ろうとするので、より愛着も湧きますし、そこに繋がりを感じて大切にしようと思えたりするので、そういうことは大事にしたいなとは改めて思いました。
車とか楽器に名前付けたりするのもそういう事ですねきっと。

さて、そういうわけでチヨ子も先日検査やワクチンが終わって、ようやくサブくんと一緒にしても大丈夫という事になったので、部屋の仕切りが無くなって今は2匹で猛ダッシュ追いかけっこした後、寄り添って爆睡というのを延々と繰り返しています。


あ、あと普段から呼び方を可愛くしておくと、ソファをガリガリしたり水をひっくり返した時でも、「こらチョコちゃん!」という感じで、自分が可愛いと思うワードの"チョ"を入れることで、強制的にというか自動的に感情をソフトモードに持っていって怒りの度合いが下がるので、オススメです。

これカップルとか夫婦でも、付き合ったらわりと呼び捨てすることあると思うんですけど、ずっと呼び捨てしないって、長く仲良くいられる秘訣な気がします。お前って呼ばないのは勿論ですけど。


また更新します。
読んでくれてありがとうございました。


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道の駅 常陸大宮〜かわプラザ〜

本日2/9(土)はユニット「猫に女子」が道の駅常陸大宮〜かわプラザ〜さんでライブイベントをさせて頂きました。

 

かなり雪が降るという予報もあってちょっとお客さんは少なかったものの、猫に女子が初めてライブをした場所に半年ぶりに戻ってきて、その時よりもまた少し曲が増えたり進化したネコジョが見せられたのはよかったかなと思います。

 

 

 

ちなみに猫に女子は

 

猫の「さぶのすけのすけ」

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女子の「しじみちゃん」

 

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による猫と人のエンターテイメントユニットです。

 

 

さぶちゃんは外に出ると形態が変化して色々とエンタメ向けになります。

 

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2018年7月22日に道の駅 常陸大宮〜かわプラザ〜さんでの初お披露目をして(その時は御転婆大使館という名前でしたが)そこから茨城や栃木、東京のイベントにちょこちょこと出演をさせてもらっています。

 

 

着ぐる、大きめの猫と人という性質上、控え室にわりとゆとりがないといけなかったり、できれば専用のスペースが必要だったりで出演条件が少し限られてしまうものの、ネコジョは猫のさぶちゃんの気まぐれさに合わせて、ゆるーくゆるーく、誰にも何にも縛られず面白いことや人と動物へのサポートなどを追求するだけのユニットにしたいなと思ってプロデュースをしています。

 

 

なるべくイベントに合わせた曲を作るという、自分たちなりのイベントへの積極的な参加をしているんですが、今回もいちごの曲を作って披露させて頂きました。

 

 

当日の朝に曲が出来上がったので、CDRでの配布までは間に合わなかったんですが、ライブ後にリピートしまくっていたのである程度覚えてもらえたか、ある程度うんざりさせたかもしれません。

 

 

ネコジョの曲は

・天空まきば大笹牧場

・上笑祭

・CHU-CHU-RAMEN

これに今回の

・ICHIGO!!

 

を加えて全部で4曲になりました。

またどこかのタイミングでCDにしようと思っています。

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猫のさぶのすけのすけ

"平成最後の"がおそらく今最も使い勝手がいいキーワードであろう2019年2月3日。

本日、平成最後の、ブログ始めをします。←使い方ド下手
 
ここで猫のさぶのすけのすけ(以下さぶちゃん)と、同居する夫婦との、他愛のなさすぎる、でもちょっとだけ奮闘する日常を綴ろうと思います。
 
ブログを書くのは主に旦那です。
 
 
おそらく誰も見ていないであろう最初のブログは、誰にも見られていないであろう感満載の完全にひとりよがりの内容で書いていきたいと思います。
というか多分ずっと、隠しはしないけど張り出すわけでもないリビングになんとなく置いてある日記的な感じで好き勝手に書いていこと思います。
 
 
さぶちゃんは、2011年の6月頃に保護された猫で、拾われた当初は、結構衰弱していました。
 


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バンドマンだった僕が、バンド練習で杉並公会堂に行った際に、建物の前にいた女性に「すみません、この子を飼えませんか」と突然段ボールに入っているのを見せられたのがきっかけです。
 
 
音楽をしに行ったところ急に猫を飼えますかという15年コースの選択を突きつけられるとは思わなかったので、最初は戸惑いました、と書いたところで今改めて思い返したんですが、実際のところ、戸惑ってなかったような気もします。

 

 
僕はその頃、毎日、猫いいなぁ猫いいなぁと思っていて、実家がペットショップをやっている友達に猫のことを聞いたりしていた矢先のことだったので、見た瞬間に「ありがとうよろしく。」くらいには思っていたような感じでした。


 
だけどひとつの命なわけで、頼まれたその場で「いっすよ」って引き受けるような奴に任せて大丈夫かと思わせるのもなんだったので、うーんとあえて考える段取りを挟んだ感はあります。
 
 
こう書くと印象悪いのかもしれないけれど、軽く考えてたわけじゃないんです。
 
 
将来結婚する相手に初めて会った時に「あ、この人と結婚するなぁ」って思った、みたいなやつで。
 
さぶちゃんにビビビと来たわけです(←古い)
 

 

最初は鼻も詰まって目もあまり開かないので、毎日のように病院に連れて行ったし、最初に保護された方が家に来てミルクのあげ方や温め方を教えてくれたりして、それなりにドタバタしたんですが、多分それも込み込みで受け入れてたので、気が付けばほとんど何もせずあっという間に大きくなってくれていた気がします。
 
 
 
2011年6月

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2018年12月

 

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はい、実際今さぶちゃんはかくかくしかじかでこのくらいの大きさまで進化していますよということで。

 

この大きさになったまでの経緯はこれから折を見てちょこちょこと書いていきます。
 
 
 
さぶちゃんのTwitter

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